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ジャーナル

陶磁器とは?「やきもの」の種類について

日常使いの食器から、芸術作品として扱われるオブジェのような物まで、普段私たちが実に色々なかたちで親しんでいるのが陶磁器ですが、そもそも「陶磁器」って何を表す言葉?どんなもののこと?など、言われてみればよく分からない陶磁器のあれこれについて調べてみました。

陶磁器とは

まず「陶磁器」という言葉ですが、この言葉は「陶器・磁器」を合わせて略称としたものです。

陶器は陶土(とうど)と呼ばれる粘土をもちいて作るものを指します。

磁器は陶石(とうせき)が原料の磁土(じど)をもちいて作られます。

これらをひっくるめて陶磁器とは一般的に「粘土や磁土を原料とし、形作って焼いたものすべて」を指す言葉として使われています。

陶磁器の基礎知識

では「陶器」と「磁器」の2つの違いは一体何なのでしょうか?

ひとつめ先述したように、粘土とという原料の違いにあります。

陶器の材料となる粘土に対して、磁器の材料となる磁土は聞いたことがない人も多いかもしれません。磁土は「石を原料とした粘土」であり、ガラス質を多く含んでいる陶石を細かく砕いたものを指します。

この原料の違いや、焼く際の時間や温度などで、それぞれ質感や見た目が大きく異なる風合いに仕上がります。

陶器はざらざらした粗い質感で、厚手で重く、温かみのある雰囲気のものが多く、熱が伝わりにくく冷めやすい特徴があります。土鍋や熱燗用のとっくりなどはまさに陶器の性質を生かした製品であると言えます。

それとは逆に磁器はツルツルした表面に、薄手で軽く、陶器より高い耐久性を備えています。陶器とは違い、熱が伝わりやすい性質なので、熱いものを入れた容器に直接触れるような造りの食器には不向きですが、取っ手の付いた、コーヒーカップなどなどにはうってつけの素材です。

陶磁器の種類

陶器と磁器の2つに分類されない、他のやきものには、いずれも粘土を用いた「土器」および「炻器」の2種類があります。

土器は粘土を用い、低温で焼き上げたもので、かつての日本において、野焼きによって作られた「縄文土器」でおなじみの他、さまざまな工業製品や植木鉢などに利用されています。

炻器は陶器と磁器の中間のような存在で、鉄分を多く含んだ粘土を用いて、高温で焼き上げられ、肌合いも陶器と磁器の中間のような感じに仕上がります。高い耐久性があり、磁器ほど生産が難しくないという特徴を生かし、こちらも土器と同様に幅広い用途に用いられています。

縄文土器からはじまる日本の陶磁器の歴史は、大陸から新しい技術や技法が伝わるにつれ炻器、陶器とバリエーションが増えていき、初めて磁器が作られ始めたのは江戸時代になってからのことです。

 

まとめ

以上、陶磁器についての特徴をまとめると

・陶磁器とは土や石を形作って焼いたものの総称
・陶器と磁器の違いは材料にある
・陶器と磁器はそれぞれ性質が異なる
・陶磁器は陶器、磁器、土器、炻器の4つに分類される

と、なります。

お店で器を探すときにそれがどういった種類のやきものなのか、どんな特徴を持っているのかを知っていると選ぶ時の楽しみが大きくなりますね。少しでも参考になればうれしいです。

 

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