【体験】京都ほづ藍工房で藍染体験。着古したシャツが大変身…!
こんにちは!いまむかし工芸品店店長のかわねです。本記事は京都府亀岡市保津にある「京都ほづ藍工房」にて藍染体験したときの内容をまとめています!藍染に興味のある方や京都ほづ藍工房さんのことが気になってるという方の参考になればうれしいです。
目次
京都ほづ藍工房について
京都ほづ藍工房は京都府亀岡市保津(ほづ)にある藍染工房です。現在代表を務めている吉川佳代子さんの父の代から長く藍染を営まれていて、2020年にそれまでのほづあい研究所を株式会社化して京都ほづ藍工房株式会社となりました。
京都ほづ藍工房では『京保藍』という京都の藍を使った美しい色合いの藍染め加工や作品の販売、染体験の提供をしています。
京保藍とは
古くから京都には『京浅葱』と称された水藍の色を生む京藍が栽培されていましたが、輸入品や化学製品に押され大正12年を最後に途絶えてしまったと言われています。
ところが、藍染が盛んな徳島県に視察に訪れた際に佐藤阿波藍製造所の佐藤昭人さんから「今使っている藍はもともと京都から持ち帰ったもの」という話を聴いたのだそう。
その種を分けてもらい、2015年に再び京都・保津の地に里帰りした藍が「京保藍(京都保津藍)」と名付けられました。NPO法人、農家や福祉施設、大学関係など保津に関わる多くの人の協力により京保藍は栽培されています。
藍染体験の流れ
京ほづ藍工房での藍染体験は以下の手順で進んでいきます。
1.染める品を選ぶ
2.デザインを決める
3.絞る(ボール絞り・つまみ絞り・ひも絞り)
4.水に浸ける
5.藍液に浸ける
6.水洗いをする
(5)と(6)を3~4回ほど繰り返す
7.脱水する
8.【家でやる】乾燥
9.【家でやる】定着液に浸す
1.染める品を決める
何を染めるのかを決めます。体験の申し込みの段階で染めたいものを決めておきましょう。今回は持ち込みでシャツを染めることにしたので料金は3300円(税込)でした。
2.デザインを決める
どんな風なデザインに染めるかを佳代子先生と一緒に決めます。藍染でできるデザイン、できないデザインも教えてくれたり実際の作品を見せてくれながら説明してくれるのでとても分かりやすかったです。
3.絞る(ボール絞り・つまみ絞り・ひも絞り)
作ってみたいデザインに染め上がるように、染めたいものの生地を絞っていきます。
生地をくしゃくしゃと手で折りたたんで(?)絞ったり、ビー玉を生地でくるんで絞ったり、洗濯バサミで絞ったりもするんですね。いろんな絞り方でそれぞれ異なる仕上がりになるのに驚きました…。
というか私は藍染初体験だったこともあり、染める液に浸けるのに紐で縛るだけで染まらなくなるんだ~、という事に驚きました。
(藍の色素は粒が大きいのがその理由だとか)
4.水に浸ける
生地の絞りが終わったら染作業開始。まずは水に浸します。
まず水に浸すことで藍が浸透しやすくなるとのことです。
5.藍の染色液に浸ける
いよいよシャツを染色液に浸けていきます。
染色液の上にはふわふわの泡のようなものが…。これは「藍の花」と言われるもので(いい響き)液中のバクテリアが働いてもこもこしてきます。
先述の通り、ドブンと染色液に浸けても生地を絞った個所には圧力がかかっていて染料が染み込みません。
初心者には難しいですが染まるところと染めないところをいかにして作るかが模様づくりの腕の見せ所といった感じでしょうか。
6.水洗いする
染色液に浸けた生地を水を張った槽にドボンと浸けてジャブジャブもみます。すると水中の酸素と染料が反応し酸化発色を促し、だんだんと藍色へと変化していきます。
ちなみに染色液の入った槽は表面的には藍色ですが、表層は空気に触れて酸化するため藍色になっていて、底の方ではうぐいす色というか、黄緑っぽい感じの色をしていたと記憶しています。
1~2分水の中で揉んだ後は、脱水をして水気を切り5→6の手順を複数回繰り返します。
この手順を繰り返すことでより深く藍が染まっていくので、お好みの色味になるまで繰り返しましょう。今回は5回ほどやらせてもらいました。
最後に脱水をした後は、いよいよ絞りを解きます。
どんな模様が出来上がっているのか緊張の一瞬…。
とてもきれいに仕上がってました!
しっかりと藍色が発色していてとても綺麗です!記念に工房の裏で写真をパシャリ。
コチラは同行したスタッフの作品。
シャツを絞って輪ゴムで留めて染め上げたものです。
とてもキレイに染め上がってて本当にアップグレードしてます!
実際に絞りを解いて開いてみるまではどんなふうに染まっているかがわからないので、絞りを解く瞬間は見てるこちらもドキドキ…これが「同じ模様は二度作れない」という事なんですね…模様にも愛着が湧きますね!
ついでにわたしの作品はこちら。
『ジャパンブルーグラデーションだ~!』と意気込んでいましたが、どっちかというとツートンカラーに・・・。
実は先生から事前に「グラデーションはけっこう難しいですよ~」とアドバイスをもらってたんですが強行した結果こうなりました!(^^)/
なめらかな変化とはいいにくいですがなかなかキレイな色でしょう?
やっぱ絞って染めるときはドボンと浸けてもOKなので初心者にはやりやすいんですね、これから体験に行く方の参考になればうれしいです!
でも染める回数によって希望の色が狙えるか…これは何度も経験を積む必要があるまさに職人技なのでしょう。
記念撮影が終わったらビニール袋に衣類を詰めて、あとは家での作業を残し工房での体験は終了。
もっといろいろ先生とお話ししたい気持ちを抑えつつお別れのあいさつ。
ご丁寧に教えてくれて本当にありがとうございました!
7.【家でやる】乾燥させる
染めが終わったらあとは家で染料を定着させるために一度乾燥させます。
8.【家でやる】酢酸に浸す
乾燥した作品を次は酢酸の駅に浸けて、色を定着させます。
水に酢を混ぜた液に一日つける事で色を定着させ、染色の過程でアルカリ性に寄った状態の衣類を酸性に近づけてあげることで服が滑らかになるのだそうです。
まとめ
藍染は初体験だったのですが、わたしも同行したスタッフもとても楽しく藍染にふれることができました!
京都ほづ藍工房では気軽に持ち込みの品を染めることができますし、先生の吉川さんが柔らかい雰囲気で丁寧に教えてくれるのでまた行きたいなと思わせてくれる素敵な場所でした。
写真に撮り損ねてしまいましたが、工房内で素敵な藍染作品の販売もされているのでこちらもオススメです。
保津川のそばにあることもありロケーションも良いのでぜひ足をのばして訪れてみてほしいと思います。